ザ・抜けペン計画 黎明編

投稿者: | 2024年1月3日

しょっぱなからこの記事はどうなんだと思うし、そもこんなこと書くためにここを設置した訳でもないんだが、一方で以前から考えていたことだし経緯を書き留めておくのも良いかと思うのでここを使うことにした。なお「ザ・」は定冠詞のtheである(どうでもいい)。

まず、ペンタックスの一眼レフを使い始めたのは乾電池駆動で融通の利く手頃なコンデジの買い替え先が無く、当時K-rがコンデジ以外の条件を満たす機種だったから。元々ペンタックスというブランド自体に思い入れはなかった。

で、K-rが2年と持たずに動作不良を起こすようになり、増えたレンズと既に動物園通いの習慣もあって型落ち寸前のK-5IIsへとステップアップ。操作性の良さと高感度耐性、動物園での撮影になら使える程度のAF性能のおかげで長らく愛用していた。

だがしかし、コロナ禍により動物園は長期閉園し、撮影対象を野鳥へ移すとペンタックス一眼レフとの相性の悪さが目に付くようになる。主な点を挙げると:

  • AF動体追従性能が低い。ボディの位相差検出AFモジュールの精度、合焦アルゴリズム、ボディ内モータ駆動AFのどれもが動体追従の足を引っ張ってる
  • ボディ内手ぶれ補正方式はレンズの焦点距離が長くなるほど補正能力が落ちる。単純に、焦点距離が2倍になれば補正は1段落ちる
  • ボディ内手ぶれ補正方式はファインダー像を補正しない。手ぶれがそのまま見えるので小さな被写体に合わせるのが困難

つまるところ、ペンタックスの一眼レフは超望遠で遠くの小さい被写体を撮ることの多い野鳥撮影には全く向いてない。それでもなお撮ろうとするのはぶっちゃけマゾと言えよう。

また野鳥撮影とは関係ないが、レンズとボディの電子接点がマウント面に配置されているから、レンズの付け外しの際にマウント面の汚れを電子接点が拾ってしまい接触不良が生じる欠点も挙げておく。俺は撮影後に毎回綿棒で拭いて汚れを取っていた。後玉の口径を確保する設計思想なのかも知れないが、欠陥と言っても良いくらいの問題点だと思う。

さて、相性が悪いとはいえレンズ資産もあるしボディやレンズの改良である程度改善できるはずだからと、新しい製品にはその辺りを期待していたのだが、K-3markIIIのAFと手ぶれ補正向上はともかくレンズ内手ぶれ補正式レンズは一向に出てこないし、あまつさえ真っ当な機能改善をほっぽってフィルムカメラプロジェクトなどと明後日の方向へ全力で走り始めたではないか。さすがに呆れたし、なけなしの愛想も尽きた。ああ、ペンタックスはもう俺の期待に応えてくれないのだな、と。

先述のとおり、元々ペンタックスブランドに思い入れはなく、ならば他のメーカへ移るのが自然な成り行きであろうと検討を始めた。抜けペン計画の始まりである。

ザ・抜けペン計画 乱世編 へ続く

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